アパート経営者は要注意!悪質な家賃滞納者が増加傾向!?
アパートやマンションのオーナー様の中には、相続によって最近アパートの経営者になった方や、転勤や結婚などによって自宅マンションを貸すことになった方など様々な事情があるかと思います。
そんな賃貸経営初心者の方に家賃滞納の怖さを知っていただき、リスク管理の方法と注意点をご紹介いたします。
多くのオーナー様の最大の悩みが家賃の滞納です。空室の場合は家賃が入らないだけですが、家賃滞納は家賃が入らないだけのリスクではありません。
最悪の場合は裁判をして強制執行ということになりますが、弁護士費用や強制執行にかかる費用(荷物の保管場所・トラックの手配や当日の人手・解錠技術者)などに高額な費用がかかってしまいます。
また夜逃げでもされてしまえば、残った荷物の処分や清掃費用もオーナー様の負担となってしまいます。その上、精神的な煩わしさも大変なものでしょう。
しかも近年は家賃滞納者が増加傾向ということですから、いつ被害に遭うかわかりません。
必要なリスク管理はしっかり行っておきましょう。
滞納保証制度とは
滞納保証制度とは、物件の貸主と借主が賃貸借契約をする際、保証会社が借主の連帯保証人の代わりとなって、契約期間中に借主が滞納した場合、貸主に対して保証会社が家賃を立て替えて支払うというシステムです。
借主にとっては連帯保証人を見つける手間もなく、保証料を支払う(保証料は保証会社によって違いがある)ことにより、入居できることがメリットになり、貸主にとっては、煩わしい督促をすることもなく、保証会社に連絡するだけで滞納家賃が支払われます。
既に、この制度を利用されているオーナー様も多いと思いますが、アパート経営を始めたばかりのオーナー様やまだこの制度を利用されていないオーナー様は、リスク回避のためにも検討をおすすめいたします。
家賃保証と滞納保証の違い
『家賃保証』とは、対象の物件を保証会社や管理会社などが一括して借り上げをして、毎月の家賃の9割り~7割(物件や契約内容、管理会社によって違いがある)を家主に支払うシステムです。
一括借り上げ制度、またはサブリースとも呼ばれています。
契約期間中は滞納や入居率の心配はありませんが、通常は2年で契約が見直されます。
オーナーは管理会社に一括で貸すことになるため、自分の物件でありながら、入居者がどのような人なのかもわかりません。
『滞納保証』とは、入居者が決められた期日までに家賃を支払われない場合に保証してくれるシステムで、空室家賃の保証とは根本的に異なります。
通常、滞納家賃の保証は入居者が部屋を明け渡すまでです。
もし入居者が夜逃げした場合、それが発覚した時点で家賃の滞納が終了するため、その日までの家賃の保証ということになります。
また、保証金額には上限があります。
オーナー様にとっては、全ての損失をカバーできる保証ではないということも理解しておきましょう。
滞納保証のデメリットと注意点
滞納保証はオーナー側にメリットが多く、管理会社や保証会社への保証料は入居者が支払います(保証会社や契約内容によっては貸主も手数料を支払うこともある)。
入居者が支払う保証料金は管理会社によって異なりますが、家賃の1ヶ月分~半月分が多いようです。
また2年ごとの更新時にも保証料が必要です。家賃の滞納がない場合には最初の保証料より安く設定されますが、滞納を繰り返す入居者には保証料が高くなったり、更新を断られたりする場合もあります。
本当に連帯保証人のいない入居者にとっては好都合なようですが、入居者の初期費用や更新時の費用の負担が大きくなります。
滞納もなくきちんと支払う入居者は更新時には退去のきっかけになる可能性もあります
。 また、近年は悪質な滞納者の増加によって保証会社が倒産してしまうというリスクも増えてきました。
もし契約している保証会社が倒産してしまうと、その保証会社に保証されていた入居者は連帯保証人なしの状態になってしまいます
。 この場合は他の保証会社に申し込み、審査と契約をしてもらうことになりますが、すんなり契約に至るかは疑問です。
保証会社にしてもリスクが大きいことから、より大きなメリットを追求するようになっています。
保証会社を利用するには、仲介を依頼している不動産業者と提携していなければならないため、仲介業者がどのような保証会社と提携しているか、保証の内容などの確認は怠らないようにしましょう。
アパート経営者にとって空室対策と家賃滞納対策が安定経営の要です。
今後は益々この二大リスクを最小限に抑えるためのリスク管理が必要となっていくでしょう。